~成果を出す組織って、どうな組織??~
【はじめに】「強いチーム」を作るヒントは、漫画にある
「組織って何?」「チームビルディングって言うけど、何から始めればいい?」
そんな問いに答えてくれるのが――青春サッカー漫画『アオアシ』です。
プロの育成組織「エスペリオンユース」には、成果を出す組織のヒントがぎっしり詰まっています。
この記事では、中小企業診断士の試験でも学ぶ「組織の3要件」を軸に、
『アオアシ』の世界から“強いチームのつくり方”を紐解いていきます。
【基本のキ】組織を動かす3つのエンジンとは?
まず押さえておきたいのが、組織に不可欠な3つの要素。
これは、組織論の基礎にして核心です。
① 共通の目的(パーパス)
② 貢献意欲(モチベーション)
③ コミュニケーション(情報共有)
この3つが揃って、はじめて「組織」として機能します。
逆に、1つでも欠ければ、それはただの集団。たとえるなら「出汁のない寄せ鍋」や「バラバラのバンド」。
うまくいくはずがありません。
【エスペリオン分析】アオアシに見る「理想の組織」
では、アオアシに登場するエスペリオンユースはどうか?
結論から言えば、この3要件をすべてハイレベルで満たしている、理想のチームです。
それぞれの要素を、作中のシーンとともに見ていきましょう。
① 共通の目的:トップチーム昇格、世界基準の育成
選手全員が、「プロになる」「世界で戦う」という明確なゴールを共有しています。
だからこそ、練習にも試合にも妥協がなく、日々を全力で積み重ねることができる。
② 貢献意欲:個の成長=チームの成長
『この不自由なフィールドで―――自分は何をすべきか?』

過去の記事も参考にしてください!!
アシトが悩み、考え抜いた末にたどり着いたこの言葉。
自分の役割を探し、強みを活かし、仲間のために何ができるかを考え抜く。
これはまさに「貢献意欲」の体現です。
③ コミュニケーション:意図を伝えるパス、チームの状態
「意図…?ポジショニング…?パスのメッセージ…?なんや?何言ってるんや?」
と悩んだアシトが、試行錯誤の末にたどり着いた境地。

(引用元:漫画『アオアシ』)
“ボールの質そのものに、メッセージを込められるんや…”
言葉でなくプレーで伝える、サッカーならではの深いコミュニケーション。
誰もがチーム状態が悪いと思っていた状況で、大友のこんなセリフも印象的でした。
“悔しさ、焦り、怒り…ピッチに立った1年に思いっきり見せてくれてるんだぜ。”
チーム内で感情がぶつかり合うことを恐れず、本音でやり取りできるからこそ、強くなる。
※「何でも言える」と「何でも言っていい」は違う、ここも大切です。
【実践ヒント】この3つをどうやって満たすか?
ここからは、「選手(プレイヤー)」と「監督(リーダー)」の2つの立場で考えてみます。
■ 選手目線(プレイヤー)
目的|自分の目標とチームのゴールをリンクさせる
→ 「自分がうまくなりたい」と「チームを勝たせたい」は矛盾しない。
貢献意欲|強みを自覚し、役割に徹する
→ 「得点」だけでなく、「守備」「声かけ」など多様な貢献がある。
コミュニケーション|ミスも含めて伝える・謝る・改善する
→ 「次からこうしよう」「もう1回合わせよう」と、パスをつなぐように意思を伝える。
■ 監督目線(マネージャー)
目的|個人の目標とチームビジョンをすり合わせる
→ 「チームが勝つために、君にこれを期待してる」と伝える。
貢献意欲|心が折れない程度のチャレンジを与える
→ 福田監督の名言:かっこよすぎて惚れます。
“正解をさっさと伝えるなんて、指導者の怠慢さ。”
コミュニケーション|戦術を言語化し、全員に納得させる
→ ズレがあればすぐ修正。指示を「自分ごと」にするための説明が重要。
【ビジネス応用編】エスペリオンを職場に作るには?
この3要素は、職場でもそのまま活かせます。
企業の中にも「ピッチ」があり、「チーム」があり、「監督」と「選手」がいるのです。
■ 部下目線(プレイヤー)
目的|自分の仕事と部署の目的を結びつける
貢献意欲|他人と比べず「昨日の自分」を超える
コミュニケーション|報連相+雑談で“言える空気”をつくる
「間接部門だから関係ない」ではなく、**“自分にできる形で貢献する”**という発想がカギです。
■ 上司目線(マネージャー)
目的|この部署が会社にどう貢献しているかを伝える
貢献意欲|「どうやるか」は任せる。主体性を引き出す課題設計
コミュニケーション|1on1や雑談で“言いやすさ”を育てる
上司にとっても、「話しかけてもらえる」「相談される」空気は大事。
双方向の心理的安全性が、組織を強くします。
【余談だけど本質】笑いと知性はセットで強い
“何でも言える”チームには、自然と笑いも生まれます。
ときにボケて、ときにツッコんで、プレーも会話も楽しくなる。
葦人が福田監督にすらツッコミを入れる姿は、まさにその象徴。
笑いとは、「思考力×瞬発力」の融合。
空気を読み、判断し、最適なタイミングで出力する力は、ファシリテーションにも通じます。
ちょっとしたユーモアがあるチームは、きっと空気もよく、離職率も下がる……気がしませんか?
【おわりに】成果を出すチームの正体
成果を出すチームとは、
- 明確な目的があり、
- それに向けた貢献意欲があり、
- それを支えるコミュニケーションがあるチームです。
これは、サッカーでも、ビジネスでも、まったく同じ。
『アオアシ』に学べば、あなたのチームもきっと変わります。
あなたは今日、誰のパスを受け取り、誰にパスを出しますか?
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